グランベル連合王国:ヴェルトマー公国

良い意味で古いしがらみにとらわれない明るい公主夫妻が治める、炎魔法ファラフレイム継承国。
先々代ヴィクトルも含め戦乱の中心人物であったアルヴィス、ユリウスによるロプト教の影響などによる暗く重い印象のヴェルトマー公国のイメージ改善になったという。
公主夫妻の出生地であるシレジアとのつながりが戦後強くなり、人的交流が盛んになるにつれグランベル連合王国の中ではもっとも変化が著しい国である

当主アーサー 公妃フィー

父アゼルと伯父アルヴィスの願いを叶えるべく、戦後処理が一番やっかいだと言われていたヴェルトマー党首の座に着いたアーサー。その重い荷をともに背負うべく、表向きは政略の一環として嫁いだフィー。
二人の育った地であるシレジアとのつながりを持ちつつ、従来からあるヴェルトマー公国の良いものを残すべく歴史・民俗学編纂に力を入れている。

イグレット=ファロ

17歳 薄茶色味のある銀髪 焦げ茶の瞳
いとこにあたるシレジア第二王女リゼラとよく似ており、瞳の色や年齢差による差異を覗けば双子のようとも。
両親とも魔法系神器の血筋であるにも関わらず魔法能力が殆ど無く、そのことに対し強いコンプレックスを抱いている。弟スロンも同じように魔法能力がないため、ファラフレイム後継者の登場を期待していた一部の人間からは軽んじられている。
神器の血統特有の能力に乏しく、同じ世代の他の公子・公女達と比べ能力的に劣りがちなため、社交界デビュー・公式行事への参加年齢になって以降、内に籠もりがちな性格に。美少女ではあるが暗く陰鬱で取っつきにくい公女…というのが宮廷内での一般的なイグレットの評判である。

いとこ達の中でもシレジアの姉妹に対しては非常に複雑な感情を持っており、特に神器の継承者であり早くから賢女と呼ばれていたイリアへの言動は言葉のとげを隠そうとしない場合が多い。
フリージの姉弟に対しては距離が近く、顔を合わせる機会は必然的に多いものの、ごく普通に応対している。クレオ達も神器血統者としては薄いためイグレットのコンプレックスをさほど刺激しないからだと思われる。
いずれのケースも表向きには親族・王族としての儀礼的態度を貫いているため、彼女の心情真意を知るものは少ない。

スロン=ブレザ

14歳 アップルグリーンの髪 翡翠色の瞳
色合いだけでなく、顔立ち等もシレジア人の特徴が表に出ており、グランベルのいとこ達よりシレジアの従姉妹に似ている少年。
発育が遅めのため小柄で、声変わりもまだであるため年齢よりも2~3歳幼く見える。同年代に比べ体格に劣ることや姉同様魔法の能力も持たないため、もう来年には士官学校へ入学しなければならない年齢であることが今一番の悩み。

領内ではやらないが他国人の前やバーハラに出たときなどは無意識に子供っぽく振る舞うところがある。「甘ったれの坊ちゃん」ではあるが、半分ぐらいは演技。
大人の振る舞い云々をうるさく言われるようにはなってきているものの、ほわほわとした人当たりの良い性格は愛されており、領内では割と人気がある。姉姫イグレットが取っつきにくさの反動でもある。

今のところどの道が自分にあっているのかまだ判らない状態なので、興味を持ったものや両親から勧められたものにはとりあえず手を出してみたりしている最中。

姉弟仲は貴族の子弟としてごく普通。
姉と同じ悩みを抱えるために何が「地雷」であるかを把握しているため逆に上手くやれているような所がある。